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2000/8/18
Last renewal 2001/08/01
 創建は(858-875)と伝えられるものの、長らく荒廃していたといいます。貞享年間(1684‐88)に臨済宗円光寺住職鉄舟和尚が再興し、以来南禅寺の末寺となり現在に至っている寺院です。境内には与謝無村によって再興された芭蕉庵や、井伊直弼の妻村山多 加女が建立した弁天堂があり、芭蕉庵は俳人松尾色蕉にゆかりある草庵と言われるもので、色焦と親交のあった鉄舟和尚が芭蕉をしのんで草庵を構え、色蕉庵と名付けたものとされています。その後この草庵は荒廃していましたが、蕪村を中心とする俳人結社「写経社会」が金福寺で句会を催し、安永五年(1776)に色蕉庵の再興を計画し、天明元年(1781)に芭蕉庵を再建しました。村山多加女による弁天堂は慶応3年(1867)のもので、現在の本堂は大正12年(1924)に再建されています。上の中央の画像は、本堂内部から庭を見たものです。大正時代に再建したせいか建具はガラス戸ですが、右の画像にある御簾があることで、障子と同様の効果を室内に与えていました。で、この御簾(ミス)、どうやら麻でできているようで、外の光を程よく透過させていました。そして、砂袋のおもしのおかげで風が吹いてもそれほどなびかなかったりします。左の画像は本堂脇にあった銭型の踞蹲です。金福寺は比叡山山麓の麓にあり、そうした山並を背景にした借景庭園でもあります。庭園は白砂敷で植栽の多くがツツジで構成されているのですが、本堂正面から山麓の斜面を利用してツツジが刈り込まれ、全体で大きなボリュームとなって山麓へ広がり、色蕉庵の萱葺きの屋根もその一部となって見えてくるのです。小さな庭なのですが、こうした構成のせいで狭さは感じさせないわけです。春は桜とツツジの名所でもあり、夏は桔梗が綺麗に咲いているそうです。このコンテンツの画像はすべて1997/04/01に訪れた時の写真で、桜はまだ咲いていない時期でした。もう少し後に行けばよかったと思いますが、この寺院はそれほど多くの参観者が訪れるところでもないので、見頃の時期もさることながら、普段の静寂もまた趣があっていいと思います。


金福寺 Konpuku-ji
臨済宗円光寺住職鉄舟再興

建設 貞享年間(1684−88)再興
芭蕉庵 1781年再建
本堂 1924(大正12)年再建
用途 寺院
拝観料 300円  9〜17時
 
MAP  
所在地 京都市左京区一乗寺才形町

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