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1999/10/16
 Last renewal 2001/08/12
 北山通りに面するこの建築は、その外観がまるでロボットを思わせるものです。張りぼてですから動く訳ありませんけど。でもこういうのは動いたら楽しいですよね。こうしたスチールとガラスの独特な使い方が、メカとしての印象をますます強いものにしているわけです。でも敷地内部に入るとその印象はずいぶんと違い、細部さがありました。外観から受ける大胆さはそこには感じられません。でも悪い意味で言うと、成り金的でバブルな建築...ですか。パチンコ屋みたいだ、と。光るものに引かれる人(カラス見たく?)のための建築なのかも。これがまたすぐ間近くで見ると細部のディテールが非常はほんと細かくて、材料を大胆に使っているもんですから。右の画像の階段の上なんかもうなんですか!見た時思わず、ナンジャコリャ芸細すぎ〜、それも通りから見えない部分で、だれが見るの!と。当時いくら金あまってたからといって、無意味じゃないの、でも凄いへからまあいいか!なんて思いました。それにしてもこの派手というかゴージャスさはすごいです。こういう建築を設計する人は少なからずいますが、中でも高松さんのものはピカイチです。この危うさのディテールに繊細さがあるからですね。でもそこに異常なこだわりがなければ、ただのパチンコ屋建築にもなりかねません。そうした芸細な細部は構成とバランス感覚が良いためかうまい具合に調和しているんです。これが高松さんのすごいところなのでしょう。派手と繊細の同居、これはまさしく秀吉好みと言われる工芸品に通ずるところですね。この ファサードの大胆は驚異ですが、わからないのが両端の梁出し?何につかうのでしょうかね。商店として設計されてはいますが、建築ばかり目立って案の定、商品の存在が弱いですこれが商店だというなら機能的には失敗かも。こうした系統の中で最も過激な高松作品といえば、西陣の織陣3(ギザギザの突起がいっぱいあるやつ)ですか。Syntaxはそれに比べると控えめにみえてしままうぐらいです。Syntaxは北山通りという商業店の立ち並ぶ通りにめんしていますが、織陣は伝統的な町並みにありますから、環境条件はちがいますね。東京の下町にある青山製図学校と同様、景観破壊を行っているとしか思えないものだったりしますが。場所を考えろ...と言いたくなりますね。それからすると、Syntaxはまだ環境に適応している方といえるのでしょうね。最近の高松さんはこうした過激建築を設計しているころにくらべ、地味な建築(というか普通)になっています。もちろんバブルのころのような建築の工事費がないのが大きいでしょう。でも、個人的には昔に比べおとなしくなってしまって少し寂しい気がします。


シンタックス Syntax
設計 高松 伸
用途 商業施設
構造 鉄骨鉄筋コンクリート
工期 1990年
 
MAP
 
所在地 京都市左京区下鴨南芝町

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