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1999/10/12 Last renewal 2001/07/28
 アーティスト、フンデルトワッサーがデザインした集合住宅。曲線を主体として、カラフルに塗られたこの建築はウィーンの古い街中にあります。さまざまな曲線の形態にカラフルな色彩があって、建物からは木が生えているように見えます。単に建築を屋上緑化などをすることはよく行われていますが、この建築は今まで見たそうした緑化とは全然違う印象を受けました。普通は木を植えてます、と思わせる程度ですが、これは生えてきたように感じるのです。そのうえこの有機的な造形。これはかなりすごいと思いました。1986年に建てられたものなので、周囲の建物は100年以上前に建てられているものが多く、それと比べるとずいぶんと新しいことになるのですが、この建築には現代的といわれる機能的又は経済的な面がそこには感じられず、しっくりと周りの古い建物と馴染んでいました。現代の工業化からくる無機的なものとは正反対で、ガウディの建築にも似ている生き物のような印象だったのです。都市空間の中にこういうものがあるのは楽しくて良いのですが、ほんと実際に作るのは大変だっただろうと思ってしまいます。この建築の住戸構成は他の集合住宅と比べ、そうかわるものではなく同じようなものだといいます。戸数は50ありますが、現在でも入居希望が殺到しているそうです。画家がすきなように外観をデザインしたように見えるのですが、それはその大胆な形と色がそう感じさせるからで、窓は8種類のエレメントで構成されています。そうした限られた材料から成り立っているのですが、一見すると全部が違うような印象を与えているのです。こうした放慢さの中には目立たない隠れた秩序があるわけです。それがこの建築を都市の景観の一部として認識させているのかもしれません。もしひとつひとつの窓を好き勝手に違うものにしてしまっていたなら、このような建築的強さは表れてこなかったでしょう。


Hundert Wasser Haus
フンデルトワッサーハウス

設計 フンデルトワッサー&ウォルフガン・ペリカン Hundert Wasser
所在地 オーストリア ウィーン市所在地 Vienna Austria
用途 公営集合住宅
構造 鉄筋コンクリート
工期 1983〜86


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