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2000/04/15
Last renewal 2001/07/28
 この建築をご存知の方は、きっと右上の写真(正面のファサード)を思い起こすのではないでしょうか。一見単調なこの建築はすべて√2の比率による構成でつくられています。 建物全体は√2のモデュールで構成されていますが、写真にある正面のファサードをよく見て下さい。ファサードの縦横比は1:2なんです。そして、平面の縦横比は1:1で作られいますから、極めて単純な比率で骨格は作られていることがわかります。この建築のファサードは1:√2:2の比率で構成されているのです。実際にカサ・デル・ファッショを見ると、実物を見る前(写真)に受けた印象(単純)よりもずっと微妙(複雑)な比率だということが強く感じられます。写真からは2次元の縦横比だけはわかりますが、実際に感じた空間の比率からすると随分とちがうといえます。だとすると、プランを考えた張本人であるテラーニは、√2のモデュールが空間に与える影響をしっかり把握していたということになり、単純な比率を見事に空間化したわけです。また、このカサ・デル・ファッショはファサードを厳格な比率でつくることで、周囲にまで鋭い感覚の空間を与えています。これはもともと、ファシストが政治目的を理由に建てた建築ということもあって、厳格さと周囲への威圧が求められたこともあるのでしょうが、威圧的というよりもむしろ洗練された印象を与えていましたし、それが明らかにモダニズム(構成主義)の建築であることもはっきりとわかるものでした。テラーニはこのカサ・デル・ファッショの計画にあたって、地中海の古典的遺産と機械時代の構成的理論を融合することを試みていました。初期スケッチにはバナキュラな要素(伝統的な瓦屋根)があったといいますが、最終的にはイタリア合理主義の規範となる建築にまで高めています。カサ・デル・ファッショはミラノ近郊のコモにあります。ミラノからのアクセスが便利ですが、ミラノ中央駅から出ているイタリア国鉄よりも、ミラノ北駅から出ている私鉄の方がすぐ近くまで行きます。 カサ・デル・ファッショはその私鉄線でコモ行き終着駅から300m程です。終着駅に到着する寸前に進行方向の右にはっきりそれとわかる建築が現れます。コモまでは北駅から約1時間。


カサ・デル・ファッショ Casa del Fascio
ジュゼッペ・テラーニ Giuseppe Terraghi

建設 1932〜36年
用途 イタリア国境警備隊本部

所在地 イタリア コモ Como, Italy

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