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1999/11/04
Last renewal 2001/08/12
 一升石の州浜で知られる仙洞御所。ここは宮内庁が管理する桂離宮、修学院離宮と並んぶ宮廷文化の遺構でもある。仙洞とは、上皇の御所のことで、寛永6年(1629)徳川幕府が後水尾上皇のため建立したものとされている。仙洞御所は後水尾上皇三の御所として造営されたのが最初だが、幾度かの火災に遭い焼失、再建を繰り返し、現在は殿舎などの建物はなく、小堀遠州の作庭による池泉回遊式庭園のみが残こる。仙洞御所の庭園は、一つの大きな池を中心に、北池、南池に別れていた。たびたびの造営により庭園は拡張され、二つの池は堀割によって池水が通じ、緊密な一体感を持つようになる。度々の改修のため、小堀遠州による造営当初の姿をほとんど失ってはいるが、17世紀初頭に完成した官廷庭園としての要素は十分に備えている。そして、その長い年月を維持管理していくなかで、御所様といわれる様式を確立し、仏閣などの寺様とは異なる優雅でかつ繊細な趣きをつくり出していった。仙洞御所は広大な京都御苑の一部にあり常に湿潤な環境にあるせいか、樹木が作る影はぼんやりとしたものに見え、ことに時雨れている時などは山紫水明を感じさせてくれます。雨の仙洞御所には雅びを見ることができるでしょう。この仙洞御所は個人的に、京都の庭園の中でも特に優れものだと感じています。その大きな要素は一升石で、自然の石の中から同じ形状のものを11万個、びっしりと隙間なく敷きめた州浜にあります。その大きくもなく小さくもない丸を帯びた一升石が一面に広がる光景は思議な緊張感を作り、さらに一升石が雨に濡れ光沢を帯びると同時に付着していた苔もはっきりと現われ、また違った表情を見せます。時雨れて山紫水明となった庭園の中では、その強くもあり周囲と溶け込んだその存在感が印象的でした。この独特の他には見られない景観こそが御所様の優雅さなのでしょう。桂離宮や修学院離宮ともまた違うものです。

 仙洞御所の一升石について
 仙洞御所を拝観するには、京都宮内庁へ往復ハガキ参観願(1枚で4名まで申し込める)を出す必要があります。拝観料はいりませんので無料ですが、往復ハガキの100円は実費です。当日は宮内庁の案内で拝観することになります。申し込み方法 他に参観願を出すことで参拝できるものとして、桂離宮、修学院離宮があります。  


仙洞御所 Sento Imperial Palace
作庭 寛永6年(1629)
小堀遠州の作庭による池泉回遊式庭園
 
MAP
 
所在地 京都市上京区京都御苑内

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